灼熱冷酷少女 第1話 その2
その少女は疲れきった顔をして、今にも男たちに捕まりそうだった。
事情は知らないが、少女を守らなければと思った。
レイジのすぐ前まで走ってきた少女と男達の間に割って入った。
両者とも立ち止まり、とくに男たちは動揺していた。
「危険だ! そこをどけ!」
真ん中のたくましい中年の男が叫んだ。
そして、全員で銃を構えた。
「そんな銃を持って、お前達の方が危険じゃないか」
レイジはそういって、断じて動かなかった。
……暫くの沈黙。波の音だけが静かに鳴り響く。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
その沈黙を破ったのは、端にいた若い男だった。
叫びながら銃を乱射して、レイジに迫ってきた。
反射的にレイジは目を瞑った。死んだ。
レイジはそう思って、閉じた。